オバケの駐在所
なんだか寒気がした僕は
プールから上がる事にした。

するとなんだか、
周りで遊んでる人が
少なくなっている事に
気づく。

……いる事はいるんだけど
活気がないというか、
みんな下を向いていて
つまらなそう。

遊んでる人の声が
聞こえなくなるくらい
いつの間にか
ガラーンとして、
まるで閉館間際みたい。

……美姫ちゃんは
いなくなっちゃうし
もう帰ろーかな。

そう思った矢先の事。

僕らのレジャーシートの上で
もぞもぞ動く影があった。

遠巻きに見てみると
どうやら僕らのお弁当を
子供が食い漁ってる
ように見える。

それにもびっくりしたが
その子の雰囲気が
僕にはとても気になった。

「あれ、あの子…
おーい!おーい!」

懐かしいな。
たしか小さい頃
遊んだ事がある友達だ。

その子は食べていた手を止め
急に立ち上がると、
僕が呼んだのにこっちを
振り向きもしないで、
向こうに走っていって
しまった。
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