オバケの駐在所
「ほら、一緒に
やろうじゃないか。
やって減るもんじゃ
ないだろう?」

と半ば強引に
お姉さんに手を引かれ、
戸惑いながらも
子供達の輪に僕もまじった。

「自分の名前は
言えるかい?」

「さぁ隣の子と手を
繋ごうね。」

照れながらも
言われたままに
隣の子と手を繋いだ時、
その子のはにかんだ顔が
心配していた僕の心を
スッとほころばせる。

そして平行に並び、
2組に別れて
いっせいに地面を蹴りだす。

「となりのおばさん
ちょっと来ておくれ!
鬼がいるから
いかれない!」

……でも僕はここに
何しに来たんだっけ?
自分でもおかしなくらい
流されている。

思えばプールにいた時から
変な感じがした。
急に人が少なくなったり
覚えてもいない友達を
追いかけたり。

ただ…1つ
思いあたる事があった。
それは僕にもお迎えが
きたんじゃないかとゆー事。

長い間この世に
とどまっていたと思うけど、
そろそろ僕にもその時が
くるんじゃないかとは
思ってた。

成仏できなかった理由も忘れ
いつまでもこの世に
居続けるのもおかしいし。

別れを言えなかったのは
残念だったけど、
それはまぁ……
しょーがない事なのかな。

「この子がほしい!
この子じゃわからん!
相談しよう!そうしよう!」
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