オバケの駐在所
おじちゃんは足早に
近づいてきて、
僕を力まかせに引っ張り
そのままきびすを返したが、
お兄さん達に
それを止められる。
「おいおい、どこへ
連れてこうってんだ?
まさか帰ろうとしてるんじゃ
ないだろうな?
そいつはジャンケンで
負けたんだ。
それにここまで来ても
意志があるなんて
めずらしい子だ。
相当長い間、現世を
さ迷っていたんだろう。
……食べごたえが
ありそうだ。」
と、最後に確かに
そう言ったのが耳に入った。
「だまれ!
行くぞ夏彦!」
いつになく冷静さがない
おじちゃん。
論理もへったくれもない
言葉を返して
お兄さん達を振り払うと、
強引にその場から
逃げようとする。
「きゃあ!」
その時後ろから
叫び声がした。
おじちゃんに手を
引かれながら振り返ると、
さっきまで隣にいた子が
しわくちゃの老いた鬼たちに、
紙を破るように
手足を引きちぎられていた。
それはさっきまで
若い先生かと
思っていた2人だ。
おじちゃんが
強く引っ張るから
それ以上は見れなかった。
いや、僕自身
目を背けたかったんだ。
……ごめん、ごめん。
おじちゃんの横顔も
怒ってるように見える。
それとも必死に
逃げてるせいなのかも
しれない。
近づいてきて、
僕を力まかせに引っ張り
そのままきびすを返したが、
お兄さん達に
それを止められる。
「おいおい、どこへ
連れてこうってんだ?
まさか帰ろうとしてるんじゃ
ないだろうな?
そいつはジャンケンで
負けたんだ。
それにここまで来ても
意志があるなんて
めずらしい子だ。
相当長い間、現世を
さ迷っていたんだろう。
……食べごたえが
ありそうだ。」
と、最後に確かに
そう言ったのが耳に入った。
「だまれ!
行くぞ夏彦!」
いつになく冷静さがない
おじちゃん。
論理もへったくれもない
言葉を返して
お兄さん達を振り払うと、
強引にその場から
逃げようとする。
「きゃあ!」
その時後ろから
叫び声がした。
おじちゃんに手を
引かれながら振り返ると、
さっきまで隣にいた子が
しわくちゃの老いた鬼たちに、
紙を破るように
手足を引きちぎられていた。
それはさっきまで
若い先生かと
思っていた2人だ。
おじちゃんが
強く引っ張るから
それ以上は見れなかった。
いや、僕自身
目を背けたかったんだ。
……ごめん、ごめん。
おじちゃんの横顔も
怒ってるように見える。
それとも必死に
逃げてるせいなのかも
しれない。