オバケの駐在所
「……どーゆー事?」

私は記憶の糸を
手繰りながら
丁寧に聞き返す。

「夜中に急に
訪ねて来たって。
泣きわめいて暴れて
そのまま寝ちまった
らしいな。
その時に
小百合から電話が
あったんだけどさ……。
……二人の間に何が
あったなんて知らない。
でもお前がそこまで
思い詰めてるなんて……、
何なんだよ。
俺に話してくれよ!」

……私らの間に?
違う!
ちがうちがう!

私は賢司の言葉に
いきり立って
言葉を返した。

「あんた浮気してた
じゃない!
小百合さんと……。
2人して馬鹿にしてる!
私はね、
東京に来てから
寂しかったの。
知り合いもいない
孤独な毎日。
賢司達しか
いなかったのよ……!
なのに……、
なのに……!」

空虚な生活、
孤立した日常。
私は映えある東京で
一体何をしようと
したのだろうか。
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