オバケの駐在所
……しかし返事はない。
それはただの屍のようで、
ハジメさんも私も
屍になった車掌に
それ以上何をしようとは
思わなかった。
死人が運行管理している
列車。
ならさっきの
機関車にいたのも
死人なのだろうか……。
「風……。」
すると後ろで
先ほどの女の人が
ポツリと呟いた。
「風が吹いています。
外の……甘い草花の
匂いがする。」
それに続いて
ハジメさんも言った。
「あそこ、
窓が開いてるな。」
「あっ」と私は思いだす。
そうか、私が電車の窓を
開けたから……。
その空間ごと列車に
さらわれたのだとしたら、
あの窓から
外に出られるかもしれない。
でも問題はちゃんと
戻れるかどうかだけど……。
「列車から降りる事さえ
できれば、
俺が現世まで
案内できると思う。
行こう。」
その言葉を聞いて
ホッと安堵の息をつく。
こんな形で理由もわからず
死ぬなんてごめんだからね。
それはただの屍のようで、
ハジメさんも私も
屍になった車掌に
それ以上何をしようとは
思わなかった。
死人が運行管理している
列車。
ならさっきの
機関車にいたのも
死人なのだろうか……。
「風……。」
すると後ろで
先ほどの女の人が
ポツリと呟いた。
「風が吹いています。
外の……甘い草花の
匂いがする。」
それに続いて
ハジメさんも言った。
「あそこ、
窓が開いてるな。」
「あっ」と私は思いだす。
そうか、私が電車の窓を
開けたから……。
その空間ごと列車に
さらわれたのだとしたら、
あの窓から
外に出られるかもしれない。
でも問題はちゃんと
戻れるかどうかだけど……。
「列車から降りる事さえ
できれば、
俺が現世まで
案内できると思う。
行こう。」
その言葉を聞いて
ホッと安堵の息をつく。
こんな形で理由もわからず
死ぬなんてごめんだからね。