オバケの駐在所
「さぁ、いつまでも
こんな所にいたくないし
もののついでだ。
帰り道も案内してあげるよ
お嬢ちゃん。」
そう言って
指で手招きすると
風と一緒にさっさと
窓の外の暗闇に
消えていってしまった。
私もその後に続こうと
すぐハジメさんの腕を
自分の肩に回して
立ち上がった。
……オバケだけど
もはや疑うまい。
さきほどの
電車に轢かれたと
言っていた女の人は、
銃で撃たれた犬に付き添って
涙を流しているようだった。
もしかするとあの犬は
いなくなってしまったと
言っていた
彼女のペットだったの
かもしれない。
どちらにしても
彼女は連れて行かないほうが
いいと思う。
彼女はれっきとした
死人なのだから。
私がそのまま
彼女に声をかける事なく
そっとその場を
去ろうとしたその時、
後ろの方で
何かこすれるような
引きずるような
嫌な音がした。
そして後ろに
誰かが立っている気配。
振り向いてはいないが
誰かは想像できる。
「どこに
行こうとしてるのですか?」
……う〜、やっぱり!
相変わらず冷淡な口調。
「……現世です。
私たちは
本来の乗客じゃない。
キセルですから。」
「ええ。
ですから
切符を渡したはずです。
列車に乗って
帰ればよろしいでしょう?」
こんな所にいたくないし
もののついでだ。
帰り道も案内してあげるよ
お嬢ちゃん。」
そう言って
指で手招きすると
風と一緒にさっさと
窓の外の暗闇に
消えていってしまった。
私もその後に続こうと
すぐハジメさんの腕を
自分の肩に回して
立ち上がった。
……オバケだけど
もはや疑うまい。
さきほどの
電車に轢かれたと
言っていた女の人は、
銃で撃たれた犬に付き添って
涙を流しているようだった。
もしかするとあの犬は
いなくなってしまったと
言っていた
彼女のペットだったの
かもしれない。
どちらにしても
彼女は連れて行かないほうが
いいと思う。
彼女はれっきとした
死人なのだから。
私がそのまま
彼女に声をかける事なく
そっとその場を
去ろうとしたその時、
後ろの方で
何かこすれるような
引きずるような
嫌な音がした。
そして後ろに
誰かが立っている気配。
振り向いてはいないが
誰かは想像できる。
「どこに
行こうとしてるのですか?」
……う〜、やっぱり!
相変わらず冷淡な口調。
「……現世です。
私たちは
本来の乗客じゃない。
キセルですから。」
「ええ。
ですから
切符を渡したはずです。
列車に乗って
帰ればよろしいでしょう?」