オバケの駐在所
「本当ですか?よかった。
それならペットを担いだまま
歩けるかも。
ちょっと待っていて下さい。
すぐ取ってきますから。」
そう言って彼女は
おぼつかない足取りで
私達の横を通り過ぎる。
その様子を見ていた車掌は
私の気持ちを汲んだようで
言葉を付け足した。
「ゆっくりでも
大丈夫ですよ。
傷が広がって
しまいますから。」
それを聞き彼女は振り向いて
丁寧におじぎをすると、
その仕草で
ズルリと落ちてしまった
小腸を引きずって
歩きづらそうに前の客車へと
傘を取りに行った。
「……正しい選択です。
あの裂けた腹じゃあ、
彼女は現世に帰っても
意味がない。
即死してるでしょうから。
さて、どうしても
そこから逃げ出すと
言うならば、
その怨霊は置いていって
もらいますよ。
そこの撃たれて死んだ獣を
数に入れても
乗客人数が合わなくなって
しまいますからね。」
と私の足元にくっついている
ゴッキーを、
車掌は愛らしげに
その腕に抱いた。
それならペットを担いだまま
歩けるかも。
ちょっと待っていて下さい。
すぐ取ってきますから。」
そう言って彼女は
おぼつかない足取りで
私達の横を通り過ぎる。
その様子を見ていた車掌は
私の気持ちを汲んだようで
言葉を付け足した。
「ゆっくりでも
大丈夫ですよ。
傷が広がって
しまいますから。」
それを聞き彼女は振り向いて
丁寧におじぎをすると、
その仕草で
ズルリと落ちてしまった
小腸を引きずって
歩きづらそうに前の客車へと
傘を取りに行った。
「……正しい選択です。
あの裂けた腹じゃあ、
彼女は現世に帰っても
意味がない。
即死してるでしょうから。
さて、どうしても
そこから逃げ出すと
言うならば、
その怨霊は置いていって
もらいますよ。
そこの撃たれて死んだ獣を
数に入れても
乗客人数が合わなくなって
しまいますからね。」
と私の足元にくっついている
ゴッキーを、
車掌は愛らしげに
その腕に抱いた。