オバケの駐在所
そして窓の縁に足をかけ、
風の流れを感じながら
飛び込む決意を固めようと
何度も深呼吸をする私。
……頼むよマタギ。
「あ、あの、
ところでこの列車の
動力源って何なんでしょう?
やっぱり冥界に迷い込んだ
人間の魂とか
そんな感じですかね?」
「さあ、
死神にでも聞いてください。」
車掌が口にだした
その死神という言葉。
当てはまるのは
私の頭に焼きついている
機関車の人。
……が、じゃあこの人は?
「……じゃあ、あなたは?」
ヤモリのように
窓枠にへばりつきながら
思った事を
そのまま口にしてみた私。
どうせ次会う時は
死んだ時だし、
現世に戻れなかったら
同じ穴のムジナだ。
すると男は黒い怨霊を
優しくあやしながら
なかなか踏み切らない私に
静かに歩み寄ってきて
目の前に立つ。
「私は死人です。
子供を食べてしまった
ただの罪悪人ですよ。」
そう言って不意に
私の肩を強く押した。
私とハジメさんは
一瞬で列車から引き離され、
辺りを取り巻くのは闇。
一切の闇となった。
あらゆる現象や存在が
見受けられない。
ただ1つ、許されたのは
隣にいてくれたハジメさんを
離さない事だけだ。
風の流れを感じながら
飛び込む決意を固めようと
何度も深呼吸をする私。
……頼むよマタギ。
「あ、あの、
ところでこの列車の
動力源って何なんでしょう?
やっぱり冥界に迷い込んだ
人間の魂とか
そんな感じですかね?」
「さあ、
死神にでも聞いてください。」
車掌が口にだした
その死神という言葉。
当てはまるのは
私の頭に焼きついている
機関車の人。
……が、じゃあこの人は?
「……じゃあ、あなたは?」
ヤモリのように
窓枠にへばりつきながら
思った事を
そのまま口にしてみた私。
どうせ次会う時は
死んだ時だし、
現世に戻れなかったら
同じ穴のムジナだ。
すると男は黒い怨霊を
優しくあやしながら
なかなか踏み切らない私に
静かに歩み寄ってきて
目の前に立つ。
「私は死人です。
子供を食べてしまった
ただの罪悪人ですよ。」
そう言って不意に
私の肩を強く押した。
私とハジメさんは
一瞬で列車から引き離され、
辺りを取り巻くのは闇。
一切の闇となった。
あらゆる現象や存在が
見受けられない。
ただ1つ、許されたのは
隣にいてくれたハジメさんを
離さない事だけだ。