オバケの駐在所
それからどれくらい
時間が経ったかは
定かじゃない。
でも微かな風が
吹いているのを感じて
気づいたら私は
電車の中にいたんだ。
「よぉ、起きたか?」
横を見るとそこには
ハジメさんがいた。
どうやらハジメさんの
肩を借りて
寝入ってたらしく、
おじさんに見えないように
垂れていたよだれを
こっそりと拭いて
キョロキョロと辺りを
見回してみる。
駅について
電車に乗り込んで来るのは
一般の普通の人達。
感じてた風は
座席の下から流れてくる
暖かいヒーターで
あったらしく、
外から入ってくる
冷えた空気を
一掃してくれている。
私はそれらの世界観に
ほっと胸を撫で下ろすと、
なんとなく
制服のえりを正してみせた。
「よかったね、
帰ってこれて。」
「ああ、ありがとうな。
風のマタギから
話は聞いたよ。
お嬢ちゃんに
よろしくってさ。」
すると、
いつもの聞き慣れた
車内アナウンスが流れる。
『当線は
人身事故の影響のため
ダイヤに遅れが
出ております。
乗客の皆様には
大変ご迷惑を
おかけいたします』
「……あの女の人は
助からなかったみたいだな。
まぁあの人は電車に
跳ねられてたわけだし、
あの人を跳ねた電車に
たまたま乗ってただけの
俺らは巻き添えを
くったような形だから
しょうがないんだけどな。」
時間が経ったかは
定かじゃない。
でも微かな風が
吹いているのを感じて
気づいたら私は
電車の中にいたんだ。
「よぉ、起きたか?」
横を見るとそこには
ハジメさんがいた。
どうやらハジメさんの
肩を借りて
寝入ってたらしく、
おじさんに見えないように
垂れていたよだれを
こっそりと拭いて
キョロキョロと辺りを
見回してみる。
駅について
電車に乗り込んで来るのは
一般の普通の人達。
感じてた風は
座席の下から流れてくる
暖かいヒーターで
あったらしく、
外から入ってくる
冷えた空気を
一掃してくれている。
私はそれらの世界観に
ほっと胸を撫で下ろすと、
なんとなく
制服のえりを正してみせた。
「よかったね、
帰ってこれて。」
「ああ、ありがとうな。
風のマタギから
話は聞いたよ。
お嬢ちゃんに
よろしくってさ。」
すると、
いつもの聞き慣れた
車内アナウンスが流れる。
『当線は
人身事故の影響のため
ダイヤに遅れが
出ております。
乗客の皆様には
大変ご迷惑を
おかけいたします』
「……あの女の人は
助からなかったみたいだな。
まぁあの人は電車に
跳ねられてたわけだし、
あの人を跳ねた電車に
たまたま乗ってただけの
俺らは巻き添えを
くったような形だから
しょうがないんだけどな。」