オバケの駐在所
毎日が何も変わらない
なんて事はない。

だけど私だって
色づく紅葉や、
半袖からブレザーに変わる
衣替えのように
変化をつけたいんだ。

私は少しはにかむようにして
ハジメさんに手を振った。

誰も気づかなかったのに
めざといなぁ……。

なんて思いながら
窓から外を見てみれば、
筆先を置いたような雲が
いくつも空高く流れている。

雁に乗って
諸国を渡るマタギは
今ごろどこ吹く風。

別にこれといって良い事が
あったわけではない。

なのに電車の車窓には
どことなく嬉しそうな
顔をした私が映っていた。
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