オバケの駐在所
見回すと、更に道の向こうに
そいつはいた。
やはり手招きをしている。
意識を麻痺させて
車でひき殺そうとしてる
わけではないらしい。
私はそれを見て、
今度はその方向に
足を向けて歩きだした。
……何があるのかは
わからない。
いつもなら相手にもしないし、
関わりたくもないのに。
なんでだろう。
もしかしてすでに
取り憑かれている……?
私はフードを頭にかぶり
冷静な自分の心の内を
見つめながら、
歩いても歩いても
近寄れないオバケを
追いかける。
から風なら、
葉っぱを落としたり
貧相な木々の間を
吹き抜けるくらいは
たやすいだろう。
だけど私のコートを
脱がすことはままならない。
同じように、
意志だってオバケに
付けこませる隙がないくらい
しっかりと気を保っていれば、
そう簡単に
心を奪われないはず。
数日前から
体調が悪かった私は、
制服の裾から入りこむ
寒さをしのぐため、
ペットボトルの熱いお茶を
内ももにくっつけた。
「おい!なつみ!」
はっと我にかえると
修二くんが
後ろからついてきていた。
そいつはいた。
やはり手招きをしている。
意識を麻痺させて
車でひき殺そうとしてる
わけではないらしい。
私はそれを見て、
今度はその方向に
足を向けて歩きだした。
……何があるのかは
わからない。
いつもなら相手にもしないし、
関わりたくもないのに。
なんでだろう。
もしかしてすでに
取り憑かれている……?
私はフードを頭にかぶり
冷静な自分の心の内を
見つめながら、
歩いても歩いても
近寄れないオバケを
追いかける。
から風なら、
葉っぱを落としたり
貧相な木々の間を
吹き抜けるくらいは
たやすいだろう。
だけど私のコートを
脱がすことはままならない。
同じように、
意志だってオバケに
付けこませる隙がないくらい
しっかりと気を保っていれば、
そう簡単に
心を奪われないはず。
数日前から
体調が悪かった私は、
制服の裾から入りこむ
寒さをしのぐため、
ペットボトルの熱いお茶を
内ももにくっつけた。
「おい!なつみ!」
はっと我にかえると
修二くんが
後ろからついてきていた。