オバケの駐在所
「怖いのか?」
その言葉で
全身が言う事も
聞かないくらい
震えている事に気づく。
下を向きながら
喋らないで……。
「……寒いのよ。
昨日からずっと。」
「マフラーを
していても?」
この人に
慰めてもらいたかった?
それとも認めて
もらいたかったのか?
「お気に入りのマフラーよ。
ピンク色が好きで……。
……愛に溢れた色。
寒さを
凌ぐためじゃないの。」
おじさんは
抱いている女性の
大きく開いた首の傷を
指でなぞりながら答えた。
「隠さなくてもいい。
傷を見せたくないなら
見ないさ。
でも君のマフラーは
もうすでに
血の色で染まって
……ピンクではない。
そう、
君は自分を殺した。
……でも、
まだ……生きていたく
なった?」
……早まった事も、
死んでしまった事も
今更遅いのだ。
傷を隠しても何をしても
白紙に戻せない。
……そうか。
私は不意におじさんの唇に
唇を当てた。
その言葉で
全身が言う事も
聞かないくらい
震えている事に気づく。
下を向きながら
喋らないで……。
「……寒いのよ。
昨日からずっと。」
「マフラーを
していても?」
この人に
慰めてもらいたかった?
それとも認めて
もらいたかったのか?
「お気に入りのマフラーよ。
ピンク色が好きで……。
……愛に溢れた色。
寒さを
凌ぐためじゃないの。」
おじさんは
抱いている女性の
大きく開いた首の傷を
指でなぞりながら答えた。
「隠さなくてもいい。
傷を見せたくないなら
見ないさ。
でも君のマフラーは
もうすでに
血の色で染まって
……ピンクではない。
そう、
君は自分を殺した。
……でも、
まだ……生きていたく
なった?」
……早まった事も、
死んでしまった事も
今更遅いのだ。
傷を隠しても何をしても
白紙に戻せない。
……そうか。
私は不意におじさんの唇に
唇を当てた。