オバケの駐在所
『カララン』
すると軽快な音を鳴らして、
花遊さんはその場から
ふいと歩きだした。
「……あ、花遊さん?」
声をかけると
一度振り返ったが
お辞儀をして
そのまま去ろうとする。
『カラン……コロロン』
コンクリートを叩く
下駄の音。
つい聞き惚れてしまう
くらいに、
乾いた空気に
響きわたっていく。
「あの子、着物は
よく似合ってるけど……、
いやに綺麗というか
欠点がなさすぎるっつーか。
なつみの知り合い?」
「……うん、
隣に住んでる人。
さきに言っておくけど
惚れちゃだめだよ」
「なんで?」
「なんでも。
……ごめん、私ちょっと
あの人に用があるから
先に帰ってていーよ。
また明日学校でね。
ちゃんとお墓に
あやまっておきなよ」
私は修二くんに半ば強引に
別れを告げて
花遊さんの背中を追った。
すると軽快な音を鳴らして、
花遊さんはその場から
ふいと歩きだした。
「……あ、花遊さん?」
声をかけると
一度振り返ったが
お辞儀をして
そのまま去ろうとする。
『カラン……コロロン』
コンクリートを叩く
下駄の音。
つい聞き惚れてしまう
くらいに、
乾いた空気に
響きわたっていく。
「あの子、着物は
よく似合ってるけど……、
いやに綺麗というか
欠点がなさすぎるっつーか。
なつみの知り合い?」
「……うん、
隣に住んでる人。
さきに言っておくけど
惚れちゃだめだよ」
「なんで?」
「なんでも。
……ごめん、私ちょっと
あの人に用があるから
先に帰ってていーよ。
また明日学校でね。
ちゃんとお墓に
あやまっておきなよ」
私は修二くんに半ば強引に
別れを告げて
花遊さんの背中を追った。