オバケの駐在所
道の裏路地に
はいっていった
花遊さんのあとに続いて、
街角を曲がる。
表の通りではない。
道というのも
ふさわしくないような
狭くて陰湿な通り。
そういう所ばかりを
選んで進んでいく
花遊さんは、私が後ろから
ついてきてるかどうか
確かめるように
時々ちらちらと振り向く。
私はそれならと思い、
心細さもあったので
いっそ手をとって
つないでみた。
花遊さんはそれほど
気にとめてないようだ。
あたりは何故かここらじゃ
見たこともないような
街並みになってきた。
ゴミが不自然に
散乱していたり、
狐のようにやせ細った犬が
徘徊していたり。
曲がり角1つ間違ったら、
もう戻ることは
できなさそうだ。
「花遊さん、
どちらまで行くの?」
「日暮町だよ」
花遊さんは
曇りのない声で答える。
……ビンゴだ。
お姉ちゃんが亡くなった
土地に越してきて、
季節もひと通り移り変わり、
今住んでいるアパートで
暮らしているうちに
1人で生きていくのも
だんだんと慣れてきた私。
炊事、勉強、家事、バイト。
時間はいくらあっても
足りないくらいで、
毎日が目まぐるしく
過ぎ去っていく。
はいっていった
花遊さんのあとに続いて、
街角を曲がる。
表の通りではない。
道というのも
ふさわしくないような
狭くて陰湿な通り。
そういう所ばかりを
選んで進んでいく
花遊さんは、私が後ろから
ついてきてるかどうか
確かめるように
時々ちらちらと振り向く。
私はそれならと思い、
心細さもあったので
いっそ手をとって
つないでみた。
花遊さんはそれほど
気にとめてないようだ。
あたりは何故かここらじゃ
見たこともないような
街並みになってきた。
ゴミが不自然に
散乱していたり、
狐のようにやせ細った犬が
徘徊していたり。
曲がり角1つ間違ったら、
もう戻ることは
できなさそうだ。
「花遊さん、
どちらまで行くの?」
「日暮町だよ」
花遊さんは
曇りのない声で答える。
……ビンゴだ。
お姉ちゃんが亡くなった
土地に越してきて、
季節もひと通り移り変わり、
今住んでいるアパートで
暮らしているうちに
1人で生きていくのも
だんだんと慣れてきた私。
炊事、勉強、家事、バイト。
時間はいくらあっても
足りないくらいで、
毎日が目まぐるしく
過ぎ去っていく。