オバケの駐在所
「あの……」
と、不意に知らない
男性の声がして、
それと同時に吐息が
もれたような声も
聞こえた気がした。
すぐに私は交番の
入り口の前で立ちつくす
男の存在に気づいた。
視線は奧にいる2人のほうに
向けられていて、
ものを尋ねてくると
いったような表情ではなく、
……もっとこう
心を奪われたような、
それでいて
泣いてしまうんではないかと
いうように
顔を崩している。
よく見るとその男は
さっき後を追いかけていた
和服のオバケであった。
形は鮮明になっていて、
嘘くさい笑みもなくしている。
そして有無も言わさずに
交番の中に入ってきた。
「会いたかったぞ……。
片時も……お主のことを
忘れたことはなかった」
と言って花遊さんの
手をつかみ引き寄せた。
「きゃあ!」
「む?……わ、わたしだ!
わからんか!?新三郎だよ!」
花遊さんが嫌がった素振りを
見せたことに、
どうやら驚いてる風だった
和服の男。
私は何がなにやらであった。
と、不意に知らない
男性の声がして、
それと同時に吐息が
もれたような声も
聞こえた気がした。
すぐに私は交番の
入り口の前で立ちつくす
男の存在に気づいた。
視線は奧にいる2人のほうに
向けられていて、
ものを尋ねてくると
いったような表情ではなく、
……もっとこう
心を奪われたような、
それでいて
泣いてしまうんではないかと
いうように
顔を崩している。
よく見るとその男は
さっき後を追いかけていた
和服のオバケであった。
形は鮮明になっていて、
嘘くさい笑みもなくしている。
そして有無も言わさずに
交番の中に入ってきた。
「会いたかったぞ……。
片時も……お主のことを
忘れたことはなかった」
と言って花遊さんの
手をつかみ引き寄せた。
「きゃあ!」
「む?……わ、わたしだ!
わからんか!?新三郎だよ!」
花遊さんが嫌がった素振りを
見せたことに、
どうやら驚いてる風だった
和服の男。
私は何がなにやらであった。