オバケの駐在所
花遊さんは首を
左右に振り、
掴まれていた手を振り払う。
むしろこっちのほうが
今にも泣きだしそうな
顔になっていた。
ハジメさんも困った感じを
面に出してる。
「えっと……、
何をしに来たんです?
この子と
知り合いなんですか?」
「……知り合い?
ああ……いや、
今はお嬢さんに
お礼を言いにきたんだ。
墓から出してくれただろ?
ありがとう。
おかげでこうやって
自由になることができた」
私に向けて
和服の男はお礼を言う。
私はそれに戸惑いながらも、
お寺の近くにあった
お墓を頭に思い浮かべた。
「え?……で、でも
私はただお墓を
倒しちゃっただけで、
あなたがどうなるなんてことも
知らなくて、その……」
「ああ、いいんだそれで。
何十年と墓の中で
ずっと待っていたんだ。
わたしじゃ霊体を
とばすことしかできないし、
幽閉されたその入り口を
動かすのは
生身の人間じゃないと
できないから」
「お墓?お墓って何?」
と、ハジメさんが
聞いてきたから、
わかりやすく
お墓をぶっ飛ばした経緯を
説明してあげた。
「ええ?そんなことしたの?
罰当たりなやつだな」
……ごもっともである。
左右に振り、
掴まれていた手を振り払う。
むしろこっちのほうが
今にも泣きだしそうな
顔になっていた。
ハジメさんも困った感じを
面に出してる。
「えっと……、
何をしに来たんです?
この子と
知り合いなんですか?」
「……知り合い?
ああ……いや、
今はお嬢さんに
お礼を言いにきたんだ。
墓から出してくれただろ?
ありがとう。
おかげでこうやって
自由になることができた」
私に向けて
和服の男はお礼を言う。
私はそれに戸惑いながらも、
お寺の近くにあった
お墓を頭に思い浮かべた。
「え?……で、でも
私はただお墓を
倒しちゃっただけで、
あなたがどうなるなんてことも
知らなくて、その……」
「ああ、いいんだそれで。
何十年と墓の中で
ずっと待っていたんだ。
わたしじゃ霊体を
とばすことしかできないし、
幽閉されたその入り口を
動かすのは
生身の人間じゃないと
できないから」
「お墓?お墓って何?」
と、ハジメさんが
聞いてきたから、
わかりやすく
お墓をぶっ飛ばした経緯を
説明してあげた。
「ええ?そんなことしたの?
罰当たりなやつだな」
……ごもっともである。