オバケの駐在所

「……それで昨日は
何してたの?」

「……言ってる意味が
わからんな」

「だから昨日の夜、
花遊さんと2人で
歩いてたでしょ?
どこで何してたの?
やましい事してたんでしょう」

翌日学校で私は修二くんに
昨夜のことをそれとなく
聞いてみた。

それとなく優しく問いただせば
話してくれると思ったからだ。

「お前には関係ねーだろ?
だいたいさっきから
何を怒ってるんだよ。
うざってーな」

「いや怒ってないし。
質問に答えないってことは
やっぱり花遊さんと
なんかしたんだ」

「ちっ、
別になんもしてねーよ。
それに花遊さんじゃないから」

「嘘だよ。
昨日交番であんな仲良く
話してたじゃん。
なんで嘘つくの?
私見たんだよ?
着物姿の人と
2人で歩いてたの……。」

「……だから違うって。
はぁ、眠いんだよ。
ほっといてくれ」

これだけ丁寧に言葉を選んで
話しているのに、
修二くんはすぐ
お茶をにごそうとする。

やっぱり何かしてるんだ。

私は事をうやむやに
しようとする修二くんが
なんだか気にくわなかった。

オバケが人にすることを
教えてあげれば
考えなおすかもしれないけど、
本当のことも喋れない人を
わざわざ心配するのは
馬鹿らしい。
< 376 / 566 >

この作品をシェア

pagetop