オバケの駐在所
結局修二くんは
その日1日中ずっと机に
ふせたままだった。

放課後になったらなったで
そそくさと目も合わさずに
先に帰ってしまう。

私とは話たくないと
言われてるようで、
なんだかもの悲しい
気持ちにさえなった。

「そーいえばさー、
今日の修二ちょっと
変じゃなかった?
授業中もずっと寝てたし、
起きててもなんか
目が虚ろだったんだよね」

今日はタマちゃんと
2人で帰った。

タマちゃんは修二くんのことを
小さい時から知っている。

微妙な状態の変化を
いち早く察知できるのは
幼なじみゆえの
経験と洞察力による
ものだろう。

ただ、いくら気がしれた
仲といえど、
なんでも話すというわけでは
ないらしい。

それは当然のことだけど、
そこには男と女の虚勢の
張り合いみたいなものが
わずかに邪魔をしているため
というようにも思えた。

「私も聞いてみたんだけど
教えてくれないんだよね」

しかし花遊さんも
ひどいもんだ。
和服の人のことも
あったのに
修二くんとどんな気持ちで
夜を共に過ごしたのか。

「とにかくあんま
寝てないらしいよ。
……夜更かししてまで
何にいそしんでいたのかは
知りませんけどね」

……素直じゃないのは
誰だろうか。
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