オバケの駐在所
一刻も早く
ここから逃げたかったから。
そして私と彼の温度差が
あまりに離れていて
腹立たしかったんだ。
私1人バカみたいで。
強く払い落としたせいで
雑に折れ曲がってしまった
折り紙を、修二くんは
呆然と見ていた。
気がたっていた私は
その反応にまで
注意が向かなくて、
そのまま修二くんの腕をとって
立ち上がらせた。
脱出の方法は
考えていなかったけど
もちろん逃げるため。
だけど修二くんは
全然動かなくて、
振り返ったらいつもと違う
真顔が私を見つめていた。
眉間あたりにシワを
浮かび出させているのが
月明かりでわかる。
私よりも20cmほど
身長が高いのだろうか……。
迫力があって、でも恐いとか
そういうんじゃないけど、
いつもと違う雰囲気に
私の心臓は早く動きだした。
次の瞬間、修二くんは
手を横に振り上げて
私の頬を叩いた。
突然のことで
よくわからなかったが、
ただ言葉を失って
固まってしまった私。
「……どーでもよくねえよ。
風邪っぴきのくせに
他人に構ってんじゃねえ」
修二くんは戸惑いがちに
そう言って
また机に体を向き直した。
お前とは合わないなって
言うように。
その時、外からあの下駄音も
最高にタイミングが
合わないところで
だんだんと聞こえてきた。
……帰ってきた。
……ここに私がいるのが
バレたらまずい。
ここから逃げたかったから。
そして私と彼の温度差が
あまりに離れていて
腹立たしかったんだ。
私1人バカみたいで。
強く払い落としたせいで
雑に折れ曲がってしまった
折り紙を、修二くんは
呆然と見ていた。
気がたっていた私は
その反応にまで
注意が向かなくて、
そのまま修二くんの腕をとって
立ち上がらせた。
脱出の方法は
考えていなかったけど
もちろん逃げるため。
だけど修二くんは
全然動かなくて、
振り返ったらいつもと違う
真顔が私を見つめていた。
眉間あたりにシワを
浮かび出させているのが
月明かりでわかる。
私よりも20cmほど
身長が高いのだろうか……。
迫力があって、でも恐いとか
そういうんじゃないけど、
いつもと違う雰囲気に
私の心臓は早く動きだした。
次の瞬間、修二くんは
手を横に振り上げて
私の頬を叩いた。
突然のことで
よくわからなかったが、
ただ言葉を失って
固まってしまった私。
「……どーでもよくねえよ。
風邪っぴきのくせに
他人に構ってんじゃねえ」
修二くんは戸惑いがちに
そう言って
また机に体を向き直した。
お前とは合わないなって
言うように。
その時、外からあの下駄音も
最高にタイミングが
合わないところで
だんだんと聞こえてきた。
……帰ってきた。
……ここに私がいるのが
バレたらまずい。