オバケの駐在所
……横恋慕。
負けたってなんのこと?
迫り来る火の勢いに
駆り立てながらも、
思い浮かんだのは
新三郎さんの言葉。
……あ。……そうか。
私の頭の中で
形が合わなかったピースが
合わさったような音がした。
いや、もともと
1つの事実があったのに
はまってたものを
ややこしく捉えただけか。
こんな時になんだけど、
ものの道理ってやつに
気がつくと
さわやかな風が
吹き抜けるもんだと思った。
その時、瓦礫とともに
いきなり天井を貫いて
誰かが降ってきた。
「よーう、帰るぞ」
見るとボロボロで
くたくたになってる
ハジメさんだった。
どうやら屋根ごと
突き破ってきたようだ。
梁や瓦に埋まってるし
登場の仕方は
まるきり不明だけど……。
「帰るってどうやってだよ!?
俺らのまわりは
もう火の海だぞ!?」
「任せなよ。
ここに入るために
墓を燃やしちまったけど、
この部屋まで焼けちまう
わけじゃない。
結界もなくなるし
出口に戻る必要もないよ」
と、むしろあんたの
心配をしたくなるような
格好だったけど
私達の無事をさとす。
やがて火は私達がいる部屋を
すっぽりと囲んだ。
負けたってなんのこと?
迫り来る火の勢いに
駆り立てながらも、
思い浮かんだのは
新三郎さんの言葉。
……あ。……そうか。
私の頭の中で
形が合わなかったピースが
合わさったような音がした。
いや、もともと
1つの事実があったのに
はまってたものを
ややこしく捉えただけか。
こんな時になんだけど、
ものの道理ってやつに
気がつくと
さわやかな風が
吹き抜けるもんだと思った。
その時、瓦礫とともに
いきなり天井を貫いて
誰かが降ってきた。
「よーう、帰るぞ」
見るとボロボロで
くたくたになってる
ハジメさんだった。
どうやら屋根ごと
突き破ってきたようだ。
梁や瓦に埋まってるし
登場の仕方は
まるきり不明だけど……。
「帰るってどうやってだよ!?
俺らのまわりは
もう火の海だぞ!?」
「任せなよ。
ここに入るために
墓を燃やしちまったけど、
この部屋まで焼けちまう
わけじゃない。
結界もなくなるし
出口に戻る必要もないよ」
と、むしろあんたの
心配をしたくなるような
格好だったけど
私達の無事をさとす。
やがて火は私達がいる部屋を
すっぽりと囲んだ。