オバケの駐在所
ああ、それは違うんです。
私の大切な友達が、
風邪ひいてた私のために
頑張って作ってくれたので
手放す気はないんです。
お露さんの分は
これから作ります。
……って言おうとしたら、
言おうとしたのにその瞬間
おヨネさんをまばゆい光が
襲った。
そしたら白い髪が生え際から
一気に黒く塗りかわり、
肌がもちっと膨れて、
あれよあれよといううちに
若い女性へと姿を
変えてしまった。
手に抱えられた鶴は
その老いを全て
受けもったかのように
シワシワでぼろぼろに
なってしまった。
「あ……ああ〜!?」
「あ、あら。私ったら
精気を吸ってしまったの?」
「おおお!おヨネ!
美しい!まるで昔と
変わらんぞ!」
「ああ、わたしの鶴が〜……」
病がなかなか治らない
私のことを
これから慰めてくれるはず
だったのにぃ……。
おヨネさんの持っていた鶴を
この手にとろうとしたら
燃え尽きた灰のように
音もなく崩れていった。
チーン、と
どこからともなく
葬式の鈴が鳴り響く。
「ご、ごめんなさいねぇ。
せっかく作って
いただいたのに……。
そうだ、これを。
私の大好きな千代紙を
譲りますわ。
これに名前を書いて折れば
万病の元を断つんですよ」
と、牡丹の箱を開けて
私に見せる。
私の大切な友達が、
風邪ひいてた私のために
頑張って作ってくれたので
手放す気はないんです。
お露さんの分は
これから作ります。
……って言おうとしたら、
言おうとしたのにその瞬間
おヨネさんをまばゆい光が
襲った。
そしたら白い髪が生え際から
一気に黒く塗りかわり、
肌がもちっと膨れて、
あれよあれよといううちに
若い女性へと姿を
変えてしまった。
手に抱えられた鶴は
その老いを全て
受けもったかのように
シワシワでぼろぼろに
なってしまった。
「あ……ああ〜!?」
「あ、あら。私ったら
精気を吸ってしまったの?」
「おおお!おヨネ!
美しい!まるで昔と
変わらんぞ!」
「ああ、わたしの鶴が〜……」
病がなかなか治らない
私のことを
これから慰めてくれるはず
だったのにぃ……。
おヨネさんの持っていた鶴を
この手にとろうとしたら
燃え尽きた灰のように
音もなく崩れていった。
チーン、と
どこからともなく
葬式の鈴が鳴り響く。
「ご、ごめんなさいねぇ。
せっかく作って
いただいたのに……。
そうだ、これを。
私の大好きな千代紙を
譲りますわ。
これに名前を書いて折れば
万病の元を断つんですよ」
と、牡丹の箱を開けて
私に見せる。