オバケの駐在所
中には美しい模様の紙が
入っていたけど、
これってもしかして……。
「ん?それと同じものを
わたしは持っているぞ。
わたしは昔
お露の墓の横にある
寺に住んでおってな。
懐かしくて戻ってみたら
これが納めてあったのだ。
どこかおヨネの霊気を
感じたんで持ってきたが、
やっぱりこれは
おヨネのだったんだな」
新三郎さんが
和服の袖から兜の形をした
千代紙を取り出した。
その不格好に折られた
兜の千代紙を見せてもらうと、
下手くそな文字で
私の名前が書いてあった。
……あやつめ。
私の病気は完治した。
それはハジメさんのいる
この部屋で過ごしたせいか、
千羽鶴のご利益を
いただいたのか、
はたまたこの千代紙に
私の名前を書いてくれた
修二くんのおかげなのか……。
憎いことに
みんなあまり語らず
おくびにも出さず、
1人突っ走っていた
私が恥ずかしい。
「いいんです、おヨネさん。
私……、これでお露さんの
名前を書いて鶴を折ります」
あれほどのオバケだ。
そう簡単には
死んだりしないかも
しれないし、
あれじゃあ魂も浮かばれまい。
それと、道理からそれて
またほっぺたを
叩かれるのも嫌だし。
どっかの短気の
悪人バカにね……。
「……ところであなた、
俺とどっかで
会ったことあります?」
するとハジメさんが
ひょんに尋ねた。
入っていたけど、
これってもしかして……。
「ん?それと同じものを
わたしは持っているぞ。
わたしは昔
お露の墓の横にある
寺に住んでおってな。
懐かしくて戻ってみたら
これが納めてあったのだ。
どこかおヨネの霊気を
感じたんで持ってきたが、
やっぱりこれは
おヨネのだったんだな」
新三郎さんが
和服の袖から兜の形をした
千代紙を取り出した。
その不格好に折られた
兜の千代紙を見せてもらうと、
下手くそな文字で
私の名前が書いてあった。
……あやつめ。
私の病気は完治した。
それはハジメさんのいる
この部屋で過ごしたせいか、
千羽鶴のご利益を
いただいたのか、
はたまたこの千代紙に
私の名前を書いてくれた
修二くんのおかげなのか……。
憎いことに
みんなあまり語らず
おくびにも出さず、
1人突っ走っていた
私が恥ずかしい。
「いいんです、おヨネさん。
私……、これでお露さんの
名前を書いて鶴を折ります」
あれほどのオバケだ。
そう簡単には
死んだりしないかも
しれないし、
あれじゃあ魂も浮かばれまい。
それと、道理からそれて
またほっぺたを
叩かれるのも嫌だし。
どっかの短気の
悪人バカにね……。
「……ところであなた、
俺とどっかで
会ったことあります?」
するとハジメさんが
ひょんに尋ねた。