オバケの駐在所
上京した時、
私の両親も
こんな感じだった。
ただあの時は期待と不安で
胸がいっぱいだったけど、
今はぽっかりと
心に穴が空いている。
いや、それもそうだけど
今は目の前の……。
「ねえ、吉野さん。
あの子……知ってる?
交番にいるって事は
ハジメさんの
知り合いなのかな?」
私はほっそりとした
吉野さんの腕の中で
さっきの女の子を見る。
まだ微動だにしない。
しかし視線だけは舐めるように
私のほうを向いている。
やはり危険な香りが
プンプンだ。
なんなのあの女の子は?
「あの子?あの子って?」
「あの子だってば。
ほら、部屋の中で
こっちを見てるじゃん」
「どの子?」
「だからそこに……」
辺りを見渡す仕草をする
吉野さん。
私が顔を前面に
突きだしているにもかかわらず
気づいていない。
と思ったら花遊さんも
後ろで首を傾げていた。
あれ?見えてないの?
人間がオバケを
見えないなんてことは
よくあることだけど、
オバケがオバケを
見えないなんてことが
あるのだろうか?
私の両親も
こんな感じだった。
ただあの時は期待と不安で
胸がいっぱいだったけど、
今はぽっかりと
心に穴が空いている。
いや、それもそうだけど
今は目の前の……。
「ねえ、吉野さん。
あの子……知ってる?
交番にいるって事は
ハジメさんの
知り合いなのかな?」
私はほっそりとした
吉野さんの腕の中で
さっきの女の子を見る。
まだ微動だにしない。
しかし視線だけは舐めるように
私のほうを向いている。
やはり危険な香りが
プンプンだ。
なんなのあの女の子は?
「あの子?あの子って?」
「あの子だってば。
ほら、部屋の中で
こっちを見てるじゃん」
「どの子?」
「だからそこに……」
辺りを見渡す仕草をする
吉野さん。
私が顔を前面に
突きだしているにもかかわらず
気づいていない。
と思ったら花遊さんも
後ろで首を傾げていた。
あれ?見えてないの?
人間がオバケを
見えないなんてことは
よくあることだけど、
オバケがオバケを
見えないなんてことが
あるのだろうか?