オバケの駐在所
何故?どうして?
そしてなんで
私はここにいるの?
どういうこと?

「……えーっと、
一体何がどういう趣旨であって
飛んでるんでしょうか。
この飛空艇は?」

そんなかっこいいものじゃ
ないが、
き、聞かずにおれるか。

「見晴らしの良いこの舟で
呑んだくれるだけさね。
趣旨なんざ知らん」

「……呑んだくれって誰が?」

「神が」

私はつい携帯に保存してある
写メの変顔並みに
顔を歪めた。

……神?紙?
いやいや神?

とどのつまるところ、
ヤゴのトンボ……。

「じゃあ……この舟は?」

私は指を下に向けた。

「人は宝舟って呼ぶね」

わーお。

七福神で有名な宝舟に
私は乗ってしまったかい。
数学者アルキメデスも
ハンカチを噛んで
悔しがるに違いない。

「外からじゃ君みたいな妖怪は
この舟を見ることも
できないんだがなぁ」

魚さんは腰に手をあてながら
喋る言葉以上に
口をパクパクさせた。
えら呼吸の名残かもしれない。
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