オバケの駐在所
「ローズ?
何を言うとるほら吹きめ。
恥ずかしいのはわかるが
バレバレの嘘なんて
つくことないぞよ。
わらわはドーンと
受けとめてやろう」
酒で裏返った声ながら
力強く私を抱き寄せてくる。
そして手に持つシャクの板を
真上に上げた。
嫌な予感がした。
「ま、待ってサクヤ姫!
私は本当に
迷子じゃなくて……」
「わかっておる」
桜の花びらがどこからともなく
私達のまわりを舞いだした。
「恥ずかしいんじゃろ?」
「ちが〜〜っ!」
無数の花びらの間から
驚いてる女中の顔が
見えたが最後、
次にその隙間から見えたのは
大広間のずっと奥まで
飲み食いを交している
祭りのような
迫力の団らんであった。
私は目を皿のように
見開いた。
そこは太鼓や笛が鳴り渡り、
ハヤシが獅子舞や
ひょっとこを連れて
惜しげもなく
神楽を奏しているなか、
タキシードなり十二単なり
着飾っている者、
耳たぶや髪の毛が
異様に長い者、
形を成していない者多数、
宴会のための
足付きの膳の上に乗り
裸同然で優美に舞い、
みんなを
楽しませている者など、
圧倒的な存在者が
わんさかといた。
八百万の神。
日本の万物を統べる神々の
幽玄の間だ。
しかし……
うそ……でしょ?
何を言うとるほら吹きめ。
恥ずかしいのはわかるが
バレバレの嘘なんて
つくことないぞよ。
わらわはドーンと
受けとめてやろう」
酒で裏返った声ながら
力強く私を抱き寄せてくる。
そして手に持つシャクの板を
真上に上げた。
嫌な予感がした。
「ま、待ってサクヤ姫!
私は本当に
迷子じゃなくて……」
「わかっておる」
桜の花びらがどこからともなく
私達のまわりを舞いだした。
「恥ずかしいんじゃろ?」
「ちが〜〜っ!」
無数の花びらの間から
驚いてる女中の顔が
見えたが最後、
次にその隙間から見えたのは
大広間のずっと奥まで
飲み食いを交している
祭りのような
迫力の団らんであった。
私は目を皿のように
見開いた。
そこは太鼓や笛が鳴り渡り、
ハヤシが獅子舞や
ひょっとこを連れて
惜しげもなく
神楽を奏しているなか、
タキシードなり十二単なり
着飾っている者、
耳たぶや髪の毛が
異様に長い者、
形を成していない者多数、
宴会のための
足付きの膳の上に乗り
裸同然で優美に舞い、
みんなを
楽しませている者など、
圧倒的な存在者が
わんさかといた。
八百万の神。
日本の万物を統べる神々の
幽玄の間だ。
しかし……
うそ……でしょ?