オバケの駐在所
「お嬢さん、
どうしたんだい?」
あまりの迫力に
腰が砕けている私に
その人は手を
さしのべてくれた。
飛び散る火の粉を
ものともしていなかった。
「立てないのかな?
そら、つかまりなさい」
その人は虎の皮のポンチョを
肩からかけていて、
5mはあるんじゃ
ないかってくらいの
トンカチのような
太鼓のようなものを
軽々と担いでいる。
強面だが優しそうな
おじいさんだ。
「かわいい子だね。
それにいい匂いがする。
その下駄も桐を使っているね?
良い物だしもしも足が
疲れないようなら
少しずらして履きなさい。
神はいつでも粋でいて
敬われなければいけない。
だが畳の上では脱がないと
いけないよ?」
「あ、ご、ごめんなさい!」
私はすかさず謝った。
もちろん心からだ。
粗相があって
機嫌を悪くなされたらまずい。
「あの鳥は鳳凰と言ってね。
昔の昔に悪いことをした
罰として、
ああしてわしらに何度
食べられても
不死鳥のごとく
地獄の底から蘇るように
してやったんじゃよ。
恐れる必要はない」
「そ、そうなんですか……?」
北側の吹き抜けからくる
風のせいで
鳳凰の体はすごくよく
燃え盛っている。
みんな夢中になっているし
口には出せないけど
とても苦しそうでかわいそう。
その鳴き様は魂から許しを
願っているようにも見える。
どうしたんだい?」
あまりの迫力に
腰が砕けている私に
その人は手を
さしのべてくれた。
飛び散る火の粉を
ものともしていなかった。
「立てないのかな?
そら、つかまりなさい」
その人は虎の皮のポンチョを
肩からかけていて、
5mはあるんじゃ
ないかってくらいの
トンカチのような
太鼓のようなものを
軽々と担いでいる。
強面だが優しそうな
おじいさんだ。
「かわいい子だね。
それにいい匂いがする。
その下駄も桐を使っているね?
良い物だしもしも足が
疲れないようなら
少しずらして履きなさい。
神はいつでも粋でいて
敬われなければいけない。
だが畳の上では脱がないと
いけないよ?」
「あ、ご、ごめんなさい!」
私はすかさず謝った。
もちろん心からだ。
粗相があって
機嫌を悪くなされたらまずい。
「あの鳥は鳳凰と言ってね。
昔の昔に悪いことをした
罰として、
ああしてわしらに何度
食べられても
不死鳥のごとく
地獄の底から蘇るように
してやったんじゃよ。
恐れる必要はない」
「そ、そうなんですか……?」
北側の吹き抜けからくる
風のせいで
鳳凰の体はすごくよく
燃え盛っている。
みんな夢中になっているし
口には出せないけど
とても苦しそうでかわいそう。
その鳴き様は魂から許しを
願っているようにも見える。