オバケの駐在所
ハジメさんが守ってくれた。
それもそうだけど、
私は私を見てくれるだけで
嬉しかった。
体が霊体となってから
私の事を振り向いてくれる
人間なんていなかったから。
ハジメさんはうぐいす張りの
塵1つ落ちてなさそうな廊下を
土足で構うことなく歩く。
私はその2、3歩後ろを
キュッキュ言わせながら
ついて行った。
とりわけ顔に笑みが
浮かんでしまうのは、
この場合仕方のない
ことだろう。
しかし、浮かぶと言えば。
私達がいた大広間は
楼閣の最上階にあったらしく、
屋根付きの廊下から下を覗くと
夜の真っ暗な雲に
物々しく舟が浮かんでいる。
遠くでほのかに光る提灯が
いかにも怪しい。
やはり一筋縄では
いかない舟だな。
「なーに外みて笑ってるんだ?
怪しいな」
……む。
……んん、まぁ……許す。
私はそんな仏頂面している
ハジメさんに近寄って
腕を絡めた。
どうってことのない。
今は笑っていたいからだ。
フッフッ喜びなさい。
特別出血大サービスよ。
それもそうだけど、
私は私を見てくれるだけで
嬉しかった。
体が霊体となってから
私の事を振り向いてくれる
人間なんていなかったから。
ハジメさんはうぐいす張りの
塵1つ落ちてなさそうな廊下を
土足で構うことなく歩く。
私はその2、3歩後ろを
キュッキュ言わせながら
ついて行った。
とりわけ顔に笑みが
浮かんでしまうのは、
この場合仕方のない
ことだろう。
しかし、浮かぶと言えば。
私達がいた大広間は
楼閣の最上階にあったらしく、
屋根付きの廊下から下を覗くと
夜の真っ暗な雲に
物々しく舟が浮かんでいる。
遠くでほのかに光る提灯が
いかにも怪しい。
やはり一筋縄では
いかない舟だな。
「なーに外みて笑ってるんだ?
怪しいな」
……む。
……んん、まぁ……許す。
私はそんな仏頂面している
ハジメさんに近寄って
腕を絡めた。
どうってことのない。
今は笑っていたいからだ。
フッフッ喜びなさい。
特別出血大サービスよ。