オバケの駐在所
……何を?
かすかに揺れている
船内の軋む音が
雰囲気をかもし出す。
風呂の湯船みたいな木の桶に
何かが浮かんで……。
「ひっ……!」
半魚人達が手を止めた時、
その腕の間から見えたのは
人間であった。
そう、死体。
水を張った桶の中で
生気のない顔が
ゴロゴロと浮かんできた。
よろめいた私の肩を持った
ハジメさんが懐中電灯で
辺りを照らしだした。
「……見えるか?」
それはデパートの倉庫と
間違えてるんじゃ
ないかってくらいに、
粘土のような
マネキンのようなものが
いくつもいくつも
山積みにされていた。
裸で……たまに
赤い血みたいな色も見える。
「みんな……神に捧げられる
供物として、
ここに保管されている。
お前も、ここに運ばれたんだ」
私は困惑した。
これが実際に
本当に起きうる事だなんて
思えないからだ。
ちょうど腕にはめていた
電波時計が真上で針を重ねて
時刻を知らせる
アラームを鳴らした。
シンデレラは日付が変わる
夜の12時に魔法が解けて
夢のような世界から
涙ながら帰らなければ
いけない。
それが私は何?
まるで天と地の差。
夢を見るのもおこがましい
というように、
冷たい現実を
突きつけられただけだ。
かすかに揺れている
船内の軋む音が
雰囲気をかもし出す。
風呂の湯船みたいな木の桶に
何かが浮かんで……。
「ひっ……!」
半魚人達が手を止めた時、
その腕の間から見えたのは
人間であった。
そう、死体。
水を張った桶の中で
生気のない顔が
ゴロゴロと浮かんできた。
よろめいた私の肩を持った
ハジメさんが懐中電灯で
辺りを照らしだした。
「……見えるか?」
それはデパートの倉庫と
間違えてるんじゃ
ないかってくらいに、
粘土のような
マネキンのようなものが
いくつもいくつも
山積みにされていた。
裸で……たまに
赤い血みたいな色も見える。
「みんな……神に捧げられる
供物として、
ここに保管されている。
お前も、ここに運ばれたんだ」
私は困惑した。
これが実際に
本当に起きうる事だなんて
思えないからだ。
ちょうど腕にはめていた
電波時計が真上で針を重ねて
時刻を知らせる
アラームを鳴らした。
シンデレラは日付が変わる
夜の12時に魔法が解けて
夢のような世界から
涙ながら帰らなければ
いけない。
それが私は何?
まるで天と地の差。
夢を見るのもおこがましい
というように、
冷たい現実を
突きつけられただけだ。