オバケの駐在所
「イワシさん達は
どうなったのかな?
まだあそこで
働いてるのかな?
……それとも」
「さあな。
あんだけ神様に
派手に暴れられたんだ。
嫌気がさして
逃げ出してるかもな。
……って言っても彼らは
閉じ込められてたんだっけ」
私は交番の中には入らず
入り口の所にもたれかかって
もう一度冷たい夜空を
見上げた。
車のヘッドライトが
目の前をたびたび
往来するから星はいまいち
わからないけれど、
キラキラと筋張った光が
夜空に反射して見えるんだ。
これは飛行機とかじゃない。
ましてや宝舟でもないし
流れ星とも違う。
もっとこう……
海面を泳いでいる
魚影のような……。
「私ね、黄泉路の帰りに
イワシさんの妹さんに
会ったんだ。
でもこっちだよって
声をかけることしか
できなくてさ。
ちゃんと私の後ろを
ついてきてくれたかな?」
「うーん、無理だろう。
多分死んだ者は
現世に向かって走るなんて
思いつきもしないよ。
黄泉路はそんなに
甘くないから」
「……だよね。
せめて手をとってあげればな。
ダイコクに
連れて行かれた時も
私が出しゃばって
追いかけなければ
死ななかったかもしれないし。
二度も命を救う機会を
棒に振ったんだもん。
きっと何してるんだよって
怒ってるよね」
「気にしすぎだろ。
誰がやったってそうなるさ」
……そうかな。
きっとハジメさんだったら
うまく苦難を
切り抜けただろう。
あのままダイコクが
大広間まで連れて行けば
もしかするとあの子も
事なきを得たかもしれない。
……やっぱり
悪いことをしたよ。
どうなったのかな?
まだあそこで
働いてるのかな?
……それとも」
「さあな。
あんだけ神様に
派手に暴れられたんだ。
嫌気がさして
逃げ出してるかもな。
……って言っても彼らは
閉じ込められてたんだっけ」
私は交番の中には入らず
入り口の所にもたれかかって
もう一度冷たい夜空を
見上げた。
車のヘッドライトが
目の前をたびたび
往来するから星はいまいち
わからないけれど、
キラキラと筋張った光が
夜空に反射して見えるんだ。
これは飛行機とかじゃない。
ましてや宝舟でもないし
流れ星とも違う。
もっとこう……
海面を泳いでいる
魚影のような……。
「私ね、黄泉路の帰りに
イワシさんの妹さんに
会ったんだ。
でもこっちだよって
声をかけることしか
できなくてさ。
ちゃんと私の後ろを
ついてきてくれたかな?」
「うーん、無理だろう。
多分死んだ者は
現世に向かって走るなんて
思いつきもしないよ。
黄泉路はそんなに
甘くないから」
「……だよね。
せめて手をとってあげればな。
ダイコクに
連れて行かれた時も
私が出しゃばって
追いかけなければ
死ななかったかもしれないし。
二度も命を救う機会を
棒に振ったんだもん。
きっと何してるんだよって
怒ってるよね」
「気にしすぎだろ。
誰がやったってそうなるさ」
……そうかな。
きっとハジメさんだったら
うまく苦難を
切り抜けただろう。
あのままダイコクが
大広間まで連れて行けば
もしかするとあの子も
事なきを得たかもしれない。
……やっぱり
悪いことをしたよ。