オバケの駐在所
耳の奥に残っている
神聖な龍神の声が
さっき言われた『メス豚』と
だんだんシンクロしていった。
……ちょっと待て。
声がまったく
一緒のような……。
「言葉が悪くてすまんな。
こいつはお前に
嫉妬してるんだ。
俺が大切に使ってた
帽子をあげたから
ヤキモチ妬いちゃったのさ。
な?」
片手でペンを回しながら、
ハジメさんは
ユエのほっぺたをつつく。
ユエは嫌そうに
強く首を振っていたが、
この子がもしや龍神なのでは?
だとしたらえらい事だぞ。
「さて……」
と、ハジメさんは
最後の一行をサッと綴ると、
書類をまとめだして
どこかに出掛けそうな匂いを
かもしだす。
私はあわてて聞いた。
「ちょっと待って。
ねぇ、あの……
もしかしてだけどさ、
この子って……」
「ああ、気づいたか」
と、ファイルや拳銃やら
色々備品をボストンバッグに
忙しそうに詰め込んで
アメリカの警官が着そうな
灰白色の
ブルゾンを羽織る。
バッグを肩にかけて
最後に部屋の
明かりを消すと、
唐突に目の前に来て言った。
私はおもわず
息を止めてのけぞった。
「お前には教えてやろう。
実はその通りなんだ」
薄暗い部屋の中で
ハジメさんが私を見る瞳は
疑問や思惑、
全てを見透かす
慧眼のように見えた。
「あいつはな……ワイフだ」
その限られた者だけが
持つことを許される
破魔の瞳は
私の煩悩にまみれた心など
悠々に射抜き……って、
……んっ?わいふ?
神聖な龍神の声が
さっき言われた『メス豚』と
だんだんシンクロしていった。
……ちょっと待て。
声がまったく
一緒のような……。
「言葉が悪くてすまんな。
こいつはお前に
嫉妬してるんだ。
俺が大切に使ってた
帽子をあげたから
ヤキモチ妬いちゃったのさ。
な?」
片手でペンを回しながら、
ハジメさんは
ユエのほっぺたをつつく。
ユエは嫌そうに
強く首を振っていたが、
この子がもしや龍神なのでは?
だとしたらえらい事だぞ。
「さて……」
と、ハジメさんは
最後の一行をサッと綴ると、
書類をまとめだして
どこかに出掛けそうな匂いを
かもしだす。
私はあわてて聞いた。
「ちょっと待って。
ねぇ、あの……
もしかしてだけどさ、
この子って……」
「ああ、気づいたか」
と、ファイルや拳銃やら
色々備品をボストンバッグに
忙しそうに詰め込んで
アメリカの警官が着そうな
灰白色の
ブルゾンを羽織る。
バッグを肩にかけて
最後に部屋の
明かりを消すと、
唐突に目の前に来て言った。
私はおもわず
息を止めてのけぞった。
「お前には教えてやろう。
実はその通りなんだ」
薄暗い部屋の中で
ハジメさんが私を見る瞳は
疑問や思惑、
全てを見透かす
慧眼のように見えた。
「あいつはな……ワイフだ」
その限られた者だけが
持つことを許される
破魔の瞳は
私の煩悩にまみれた心など
悠々に射抜き……って、
……んっ?わいふ?