オバケの駐在所
姉はすべてが見えていた。
妖の類や霊的な類を。

突拍子のない
話だと思うけれどね。

私もいまだ
少し見る力が
あるんだが……。
特にこの時期になると……。

とにかく姉は先の未来まで
見据えていたのかも
しれないくらい、
そしてその者等と関わると
どうなるかも
ちゃんとわかっていた。

お姉ちゃんに会いたい……。

姉が東京に越してしまった
3年前の時くらいから
私は周りのまやかしや
悪戯に耐えられなくなって
いつの間にか
嫌いになり
恐ろしいと
思うようになった。

なんでだろうか……、
姉の様にうまくいかない。

息を切らしながら
少しばかりも
車通りのない
幹線道路のちょっとした
枝道に出た。

辺りはトンと人気がなく
交差点の信号機は
赤の点滅を
繰り返している。
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