オバケの駐在所
こんな夜中に
楽しそうに笑いながら
男と女が2人きり。

しかも気を遣ってる
感じはないと……。

年齢的に見ても
ただの世間話とかじゃ
なさそうだしな。

あ……!
女の子に指輪を渡した!

じゃあやっぱり……?

私はお尻を高く突き出して
端から見たら
不審者極まりない
格好で2人を見守る。

……綺麗な女の子だな。

栗色で自然な髪型といい
清楚で品のある服装といい
お姉ちゃんを
思い出す。

見つめる私と
その子の目が合うが
しばらく
気がつかないでいて
そのまま思いに
更けていく。

外の暗さで
中からは視界に捉える事が
できないと
踏んだのかもしれないが。
もしくは見とれていたのか。

その子はいつの間にか
ガラス越しに
目前にまで来て
優しく微笑んだ。

途端に
つい胸が小さく波打つ。
< 54 / 566 >

この作品をシェア

pagetop