オバケの駐在所
「あんたはいいのかい?」
「俺は歩いて帰るよ。
先に小百合の家の
片付けでもしておくさ。
会社に連絡も
しておきたいしな。
……にしても講義室いっぱいに
オバケがいたのは
ちょっとショックだ。
せっかく上手くいっていると
思ったのに」
「まぁ落ちこむなって。
オバケは確かに
体を借りていたろうが
低脳だからな。
あんな複雑な考え方まで
真似できないさ」
……じゃあ、
みんなは本心では
認めてくれてるのかな?
それが本当なら救われるよ。
「何から何までありがとう」
「別にいいさ」
すると警官は
唐突に横に置いてあった墓石を
動かし始めた。
それも女の子も一緒になって
ヨイサヨイサと
いたって真面目な顔だ。
「……な、何してるの?」
「霊道がちょうど
ここに繋がってるみたいでさ。
近道しようと思って」
墓石をどかすと
そこには穴とも言い難い、
黒い陰のような
気味の悪い空間があった。
そして小百合を手招いてから
警官は街のほうを指差す。
「ごちゃごちゃと考えてさ、
幸せの定義が
なんなのかなんてことよりも
今夜温かい風呂にでも入れば
それで充分だよな。
お天道様もそう言ってる」
その指し示された先を見てから
もう一度振り返ると、
もうそこには
警官たちの姿はなかった。
ファミコンの
ドラクエⅣの冒険の書よりも
ウィットな消え方だ。
……あららら。
小百合の驚いてる顔が
目に浮かぶな。
「俺は歩いて帰るよ。
先に小百合の家の
片付けでもしておくさ。
会社に連絡も
しておきたいしな。
……にしても講義室いっぱいに
オバケがいたのは
ちょっとショックだ。
せっかく上手くいっていると
思ったのに」
「まぁ落ちこむなって。
オバケは確かに
体を借りていたろうが
低脳だからな。
あんな複雑な考え方まで
真似できないさ」
……じゃあ、
みんなは本心では
認めてくれてるのかな?
それが本当なら救われるよ。
「何から何までありがとう」
「別にいいさ」
すると警官は
唐突に横に置いてあった墓石を
動かし始めた。
それも女の子も一緒になって
ヨイサヨイサと
いたって真面目な顔だ。
「……な、何してるの?」
「霊道がちょうど
ここに繋がってるみたいでさ。
近道しようと思って」
墓石をどかすと
そこには穴とも言い難い、
黒い陰のような
気味の悪い空間があった。
そして小百合を手招いてから
警官は街のほうを指差す。
「ごちゃごちゃと考えてさ、
幸せの定義が
なんなのかなんてことよりも
今夜温かい風呂にでも入れば
それで充分だよな。
お天道様もそう言ってる」
その指し示された先を見てから
もう一度振り返ると、
もうそこには
警官たちの姿はなかった。
ファミコンの
ドラクエⅣの冒険の書よりも
ウィットな消え方だ。
……あららら。
小百合の驚いてる顔が
目に浮かぶな。