オバケの駐在所
「みゆきは私の姉ですけど。
……あなたは?」
――えっ。
「じゃあ君は
なつみちゃんか?」
「へ?う……うん。
なつみですけど」
なんてことだろう。
頭の中にメントールの結晶が
侵入してきたようだ。
「年の離れた妹がいるって
君のことはお姉さんから
よく話を聞いていたが……。
驚いたな。
仕草までそっくりなんだ。
福岡から上京してきたのかい?
……ああ。いや、すまん。
俺は君のお姉さんの同僚で
よくお世話になっていて、
ちょっとお墓参りついでに
街をふらついてみたんだが
ここはいい所だね」
何をまくしたてている。
挙動不審な態度が
自分でもわかった。
なつみちゃんは
無垢な瞳を俺に向けていた。
どこを見てるのか
わからないような
不思議な子だ。
そんなところも
みゆきに似ていて懐かしい。
「……そうですか。
わざわざどうも。
あの、今日はちょっと
用事があるので
申し訳ないんですけど。
また、来てもらえませんか?
きっと姉も喜びます」
そう言って礼儀正しく
お辞儀をしてまた歩きだした。
礼服に顔負けしない
エチケットを知っている。
できればあまり
嫌われたくないが……。
「なつみちゃん!」
もう一度だけ呼び止めた。
……あなたは?」
――えっ。
「じゃあ君は
なつみちゃんか?」
「へ?う……うん。
なつみですけど」
なんてことだろう。
頭の中にメントールの結晶が
侵入してきたようだ。
「年の離れた妹がいるって
君のことはお姉さんから
よく話を聞いていたが……。
驚いたな。
仕草までそっくりなんだ。
福岡から上京してきたのかい?
……ああ。いや、すまん。
俺は君のお姉さんの同僚で
よくお世話になっていて、
ちょっとお墓参りついでに
街をふらついてみたんだが
ここはいい所だね」
何をまくしたてている。
挙動不審な態度が
自分でもわかった。
なつみちゃんは
無垢な瞳を俺に向けていた。
どこを見てるのか
わからないような
不思議な子だ。
そんなところも
みゆきに似ていて懐かしい。
「……そうですか。
わざわざどうも。
あの、今日はちょっと
用事があるので
申し訳ないんですけど。
また、来てもらえませんか?
きっと姉も喜びます」
そう言って礼儀正しく
お辞儀をしてまた歩きだした。
礼服に顔負けしない
エチケットを知っている。
できればあまり
嫌われたくないが……。
「なつみちゃん!」
もう一度だけ呼び止めた。