オバケの駐在所
その時ほんの一瞬の
事であったが
瞼の裏から
空気が裂けるほどの
乾いた爆発音が
響きわたった。

途端に聞こえてくる
悲痛のうめき声。

そっと目を開けると
手を抑えながら
悶絶している
おばあさんがいる。

銃声……?

音がした方を追いかけて
後ろを振り向くと
間違いなく
昨日出会ったばかりの
おまわりさんと
お姉さんが息を切らして
そこにいた。

そしてハジメさんの
その両手で
握られているのは
警官が所持する拳銃、
スミス&ウエッソン。
こちらに向けられている
その銃口からは
ほのかに煙が
立っていたのだ。

「おい、
大丈夫か!?」

「キャー、
怪我してるじゃない!
すごい血……、
…じゃないのね。
何これ?」

2人はすぐさま
駆け寄ってきて
心配してくれたのか
思い思いに安否を問う。

「吉野さ〜ん。」

私は顔をひしゃげ
つい一滴の
涙をこぼれ落とした。
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