オバケの駐在所
「サクヤ姫、
こんな遠い場所まで
来ていただき
ありがとうございました。
この木に住む者も
喜ぶでしょう。」
頭を深々と下げながら
感謝の意を伝える
ハジメさんを見て
私もちょっと会釈をする。
「なんの。
ここらは
見事な花明かりじゃ。
よければこの木を守る者に
伝えといてほしい。
この咲かない
アヒルの子が
見事白鳥になったとしたら
私の娘として
受け入れたいとな……。」
そう言って
数学の時に使う
定規くらいの
長い木のシャクを
上に掲げると
桜が姫を取り囲うように舞い
その姿を再び消した。
「……なんか
私決めつけてたかも。」
鞄から姉のマフラーを
取り出し
咲かずの桜へと
歩みよりながら考える。
「……何が?」
胸のポケットから
煙草をとり
口にくわえながら
ハジメさんは聞いてきた。
こんな遠い場所まで
来ていただき
ありがとうございました。
この木に住む者も
喜ぶでしょう。」
頭を深々と下げながら
感謝の意を伝える
ハジメさんを見て
私もちょっと会釈をする。
「なんの。
ここらは
見事な花明かりじゃ。
よければこの木を守る者に
伝えといてほしい。
この咲かない
アヒルの子が
見事白鳥になったとしたら
私の娘として
受け入れたいとな……。」
そう言って
数学の時に使う
定規くらいの
長い木のシャクを
上に掲げると
桜が姫を取り囲うように舞い
その姿を再び消した。
「……なんか
私決めつけてたかも。」
鞄から姉のマフラーを
取り出し
咲かずの桜へと
歩みよりながら考える。
「……何が?」
胸のポケットから
煙草をとり
口にくわえながら
ハジメさんは聞いてきた。