オバケの駐在所
すると傘の骨の
相対する両側の2本が
露先の端から
朱色の和紙を残して
段々と真ん中まで
剥がれていった。
真ん中から
生えるように
突き出た細い竹の棒は
何故か柔らかく動き
先が指みたいに
分かれたと思いきや、
その手で
頭に巻きつかれている
ひし形の白い布を
帽子みたいに
斜めにかぶり直し
膝の辺りを両手で掴んで
パイプイスにクールに
座り込んだオバケ傘。
「なんかさー、
この雨の中
駅の方から手を傘にして
走ってきた
女の子がいたんだよ。
ほら、
俺って傘じゃん?
変わりに雨風を
受けてあげるのも
訳ないと思ってさ。
体を広げて空を飛んで
その子の所に
行ったんだよ。」
突然そのナリに似合わず
思ったよりも軽い感じで
その時の状況を
語りだす彼。
だがおまわりさんは
別段気にならないようで
デスクの1番下の
引き出しから
スナック菓子を取り出して
封を切っていた。
相対する両側の2本が
露先の端から
朱色の和紙を残して
段々と真ん中まで
剥がれていった。
真ん中から
生えるように
突き出た細い竹の棒は
何故か柔らかく動き
先が指みたいに
分かれたと思いきや、
その手で
頭に巻きつかれている
ひし形の白い布を
帽子みたいに
斜めにかぶり直し
膝の辺りを両手で掴んで
パイプイスにクールに
座り込んだオバケ傘。
「なんかさー、
この雨の中
駅の方から手を傘にして
走ってきた
女の子がいたんだよ。
ほら、
俺って傘じゃん?
変わりに雨風を
受けてあげるのも
訳ないと思ってさ。
体を広げて空を飛んで
その子の所に
行ったんだよ。」
突然そのナリに似合わず
思ったよりも軽い感じで
その時の状況を
語りだす彼。
だがおまわりさんは
別段気にならないようで
デスクの1番下の
引き出しから
スナック菓子を取り出して
封を切っていた。