夕暮れ色の君
君との、出逢い
枯れきった日々
「んー…」
うるさく鳴る目覚まし時計を止め、眠い目をこすって、起き上がる。
今日見たのも、いつもと同じ“あの人”の夢。
ただ、いつもと違ったのは、今日の夢はなんだか穏やかで、いつもみたいにうなされることや、泣き出すことが一回も無かったことだ。
…今日は、いいことがあるかもしれないな。
柄にも無く、そんなことを考えてみる。
そんな考えを巡らせているうちに、時間が何分か過ぎていて、少し焦って朝食を食べ、制服に着替える。
制服は、白いカッターシャツに、赤と茶色のチェックのスカート、スカートとおそろいの色のリボンに、グレーのブレザー。
一般的には可愛いと思うけど、あたしは全く似合わないから、あまり好きじゃない。
小さな溜息をつきながら、ローファーを履いて、外に出ようとすると、和室の方から声が聞こえてきた。