夕暮れ色の君

向かい合ったあたしに、蒼さんは少し悲しそうな顔で見る。



『何で、そんな意地をはるの？』


「っ」


『何で、そんなに一人になりたがるの？』



奏でるように紡がれる蒼さんの、言葉。



あたしは、何も言わなかった。


…違う、言えなかった。



蒼さんの言葉が、驚くほど図星だったから。



頭の、いい人だ。

直感的に判断する。



こんな短時間一緒にいただけでそこまで分かってしまうなんて、

そんなこと絶対、普通の人じゃできない。



…でも。



「…何で、あたしにそんなに関わろうとするの」



ずっと、疑問に思っていたこと。



蒼さんは頭がいいから、あたしが無愛想で関わりづらい女だって、もう分かっているんだろう。



それなのに、なんでこんな面倒くさいあたしに構うの？