夕暮れ色の君
君との、距離
未だ変わらない想い
波乱に満ちた一日を終えた翌日、あたしはまた昨日と同じ、思い出の場所にいた。
また、蒼さんに会ってしまうんじゃないか、と少し不安はあったものの、
さすがに、今日は休日ということもあってか、蒼さんはいない。
そのことに一安心した後、あたしは昨日読みそびれた本の続きを読む。
あたしの大好きな作家である、逢茴大和(あいういやまと)さんの新刊だ。
普段見かけない変わった名前や、年齢も職業も分からないといった謎の多い作家として、
今、注目が集まっている。
もちろん、謎の多いことだけで、有名な訳じゃない。
大和さんの、構想のしっかりしたストーリーや綺麗な文章には、多くの評論家から絶大な支持を得ている。