夕暮れ色の君
書き方だって、比喩の使い方だって、本当に素敵な大和さんの小説の、まま。
でも、ただ一つ違ったのは、
「…この作品は、ラストがハッピーエンドじゃなかった」
大和さんの小説は、途中でどんな出来事があっても、最後には幸せに終わるのが特徴だった。
その終わり方が、また読み返したくなるような綺麗な文章で、
あたしはそのことも楽しみで、大和さんの小説が好きだった。
「…あんなに、主人公の少年に苦しい人生を辿らせる必要は、なかった」
あまりに可哀想すぎた、と思う。
一回でも、もう一度彼女に再会させてあげれば、まだ少年は幸せだったのに。
もっと、幸せに終わって欲しかったのに。