夕暮れ色の君
『古賀(こが)さんって、何考えてるんだか分かんないよねー?』
『っていうか、あたしこの間古賀さんに話しかけたのに無視されたんだけどー!?』
『え、ミナかわいそー!あいつ、変な上に愛想もないなんてありえないー』
学校という所は、何て息が詰まる所なんだろう。
あることないことがごっちゃになって、陰口として飛び交う。
…あたし、一度も無視したことなんかないのに。
声をかけられたどころか、話した覚えすらない。
…本当、くだらない陰口だ。
低レベルなあいつらの行動に溜め息が出るけど、でも、こんなの慣れっこだから、あたしは言い返したりしない。
だいたい、そんなのに言い返したらあいつらが調子に乗るし、何よりあたしがあいつらと関わるような、無駄な時間を過ごしたくない。