夕暮れ色の君


…いつも、いつもそう。


紡がれる言葉も、行動も、表情も。

蒼さんは一枚上手で、絶対に敵わない。



少し悔しくなって、蒼さんに尋ねてみる。



「蒼さんは、あたしより年上ですよね。何歳なんですか?」


『年上、なのかな?…17、なんだけど』



え…?



開いた口が塞がらない、とはまさにこのことだと思った。


現に、あたしは放心してしまった。



「あ、蒼さん、もう一度お願いできますか…?」


『え?だから17歳だよ』



聞き返しても、変わらない答え。


これが現実なんだと、嫌でも思い知らされた。



「蒼さん…」


『ん?』


「あたしも、17なんです…」



どう考えても年上に見える雰囲気を纏ってるから、

まさか蒼さんと歳が同じだと思わなかった。


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