夕暮れ色の君
「え?だから、蒼さ…」
『あーおーいー!』
「…う」
やっと、意味が分かった。
蒼さんがあたしに、〝蒼〟って呼ばせようとしてるんだって。
だけど、言う方はなかなか、照れくさい。
恐る恐る、問いかける。
「っ、どうしても…?」
『指切りげんまん、したもん』
あんなの蒼さんの一方的じゃないか、と言いたくなるけど、反発しないように気を付ける。
これ以上、大変なお題を出されては困るから。
あたしは気合いを入れるように、ベッドに倒れこんでいた姿勢を正座に整えて。
「…蒼、」
そっと、呟いてみた。
言った瞬間、余りの照れくささにまた顔が熱を帯びる。