本当の恋に 気づいた日
「…斉藤さん、この小説…すごくいい!」
突然兄貴が言った。読み終えたのだろうか…。
「ありがとうございます…」
斉藤佳奈は真っ赤になっている。
「それもこんな短時間でなんて…斉藤さん才能あるよ!」
「そんなことないですっ!」
「いやいや、謙遜しなくても…じゃあ、次の小説コンクール、この作品で行こうか?」
「え…?!」
「大丈夫っ、俺のお墨付きだよ」
俺そっちのけで会話が進んでいく。
結局その後、俺と1言も話すことなく斉藤佳奈は去っていった。
……学校でまた、会えるかな…?
って…おかしいおかしい!
自分がおかしいって思うの、今日何回目だ?
何か…すげー変だ。
自分の気持ちが…意味わかんねー。