本当の恋に 気づいた日
~双子~風雅
その4日後ぐらい。
教室で友達と話していたら、
「おーい、風雅ー。斉藤さんって人が呼んでるよー」
と、声をかけられた。
斉藤…って、もしかして斉藤佳奈?
……気分が何故か高揚した。
でも、斉藤佳奈じゃなかった。
俺を呼んだのは……
「はじめまして。斉藤美歩っていいます。よろしくっ!」
髪はほぼ金髪に染まっていて、“1-基本”と書かれた名札をつけているいかにも馬鹿そうな女だった。
「ああ、それで?何の用ですか?」
こんな女と関わるような事をした覚えは無い。
「えーっとぉ…用っていうほどの事でもないんだけどぉ…」
媚びるような目線と口調が鬱陶しい。
「あ、そーだ、メアド教えてくれない?」
「…はぁ?」
何故俺がこいつにメアドを教えなければいけない?
「ねぇー…お願い?」