本当の恋に 気づいた日
~初恋~佳奈
ザワ…ザワ…。
今日は高校の入学式。
あたし達新入生は今、クラス表をみて自分の名前を確認している。
「佳奈~!あたし特進だった!佳奈もだよ~!」
そうあたしに声をかけてきたのは、同中出身の湯谷優菜。
この高校のクラスは、成績順に特進→難関A→難関B→応用A→応用B→基本、となっている。
「…美歩ちゃんは、基本みたいだね」
美歩―――――。
…そっか。やっぱり。
馬鹿なあんたは、基本がお似合い。
美歩はあたしの双子の妹で、あたしとは似ても似つかず、とても可愛い。
姉妹喧嘩をするときに必ず言われる悪口が「ブス」とか「不細工」とかの類。
「お姉ちゃんなんて、不細工じゃん!あたしの方が可愛いってみんな言ってるもん」
「双子なのにお姉ちゃんはブスだって、噂になってたよ」
あたしは何も言い返せなかった。
だって真実だから。
髪型を変えても、可愛くはなれなかった。
化粧をしても、すっぴんの美歩のほうが可愛い。
そんなあたしが美歩に勝てる方法として思いついたのが「成績」。
成績だけは、努力を裏切らない。
勉強したら勉強しただけ、順位が上がる。
いつの間にか、毎回1位をとるようになった。
だから美歩が「ブス」と言うたび、あたしは心の中で「バカのくせに」と毒づいていた。
それなのに、同じ高校に入ったなんて。
あたしは最初、美歩が受かったなんて信じられなかった。
あたしが毎日、美歩の顔を見て劣等感を感じているように、美歩もあたしが着ている栄秀の制服を見て劣等感を感じればいいと思ったのに。
でも、せっかく入れても基本だって。
バカじゃん。
って……やっぱり、あたしって性格悪いのかな…。
今日は高校の入学式。
あたし達新入生は今、クラス表をみて自分の名前を確認している。
「佳奈~!あたし特進だった!佳奈もだよ~!」
そうあたしに声をかけてきたのは、同中出身の湯谷優菜。
この高校のクラスは、成績順に特進→難関A→難関B→応用A→応用B→基本、となっている。
「…美歩ちゃんは、基本みたいだね」
美歩―――――。
…そっか。やっぱり。
馬鹿なあんたは、基本がお似合い。
美歩はあたしの双子の妹で、あたしとは似ても似つかず、とても可愛い。
姉妹喧嘩をするときに必ず言われる悪口が「ブス」とか「不細工」とかの類。
「お姉ちゃんなんて、不細工じゃん!あたしの方が可愛いってみんな言ってるもん」
「双子なのにお姉ちゃんはブスだって、噂になってたよ」
あたしは何も言い返せなかった。
だって真実だから。
髪型を変えても、可愛くはなれなかった。
化粧をしても、すっぴんの美歩のほうが可愛い。
そんなあたしが美歩に勝てる方法として思いついたのが「成績」。
成績だけは、努力を裏切らない。
勉強したら勉強しただけ、順位が上がる。
いつの間にか、毎回1位をとるようになった。
だから美歩が「ブス」と言うたび、あたしは心の中で「バカのくせに」と毒づいていた。
それなのに、同じ高校に入ったなんて。
あたしは最初、美歩が受かったなんて信じられなかった。
あたしが毎日、美歩の顔を見て劣等感を感じているように、美歩もあたしが着ている栄秀の制服を見て劣等感を感じればいいと思ったのに。
でも、せっかく入れても基本だって。
バカじゃん。
って……やっぱり、あたしって性格悪いのかな…。