本当の恋に 気づいた日

そして放課後。正門前で待っていたら、斉藤佳奈が走ってきた。


「ごめんごめん。で、えっと…聞きたいことがあるんだけど…ここでいい?それとも、どこかに行って話す?時間ないんだったら、ここでもいいけど」



どこかに行くって…つまり…デート…みたいなモノか…??



ドクン…ドクン…



心臓がうるさい。



なんだよこの気持ち…。



俺は必死にポーカーフェイスを保ち、言った。



「時間は…割とあるから、どっか行ってもいいけど」



「そっか。んじゃぁ…ここの角の喫茶店行こっか」



「おお」



2人で歩く道は、何故か新鮮で、ドキドキした。




店に入ると、カランカラン、と入り口の鈴が鳴る。


「いらっしゃいませ」


という店員の声。



この店員には…俺らって、どう見えているんだろう。



彼氏…彼女に、見えるかな……?



って、何考えてるんだ俺ッ!



冷静に、冷静に。



席に座り、注文を終えたところで、俺は切り出した。



「で?どうしたんだよ」
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