本当の恋に 気づいた日
~肯定~佳奈

やばいヤツなのか?


と聞かれたら



そうですその通りです、としか答えられない。



「…まぁ…一言で言うと、不良化してる…」




「あの髪の色と格好で分かるっちゃぁ分かるけど」



髪の色は金色、ブレザーの前はだらしなく開けていて、スカートは後ろから見たらブレザーに隠れて見えなくなるほど短い。膝上約20cmぐらい。


その上顔中に濃い化粧を施している。


放課後は部活にも入らず毎日悪い友達と遊んできて、夜の10時を回っても帰ってこない時もある。


そんな美歩を不良と言わず何という?



「多分さ、目をつけられてるよ」



「は…?俺が?」



「美歩、狙った男は絶対に落とすって意気込んでたから、せいぜい気をつけたら~」



「……なんで俺が…ってか、絶対あんな女好きにならない!」



え?


なんで?


確かに不良で鬱陶しいけど……美歩、可愛いじゃん……。


「…なんで?好きにならないって根拠なんて無いじゃん…」



「は?いや、普通に考えて、あんな奴無理」



「…そんなこと言っといて、どうせ惚れちゃうんでしょ?!」



「…え?」


あたしの剣幕に驚いたのか、佐藤風雅が戸惑った声を上げた。
< 22 / 101 >

この作品をシェア

pagetop