本当の恋に 気づいた日
~自覚~風雅
『Thank you for your affirmation.』
その言葉とともに、俺に向けてくれた笑顔は…とても綺麗だった。
心臓が早鐘のように鳴り響く。
何なんだろう、急に体温が上昇したような、この感覚は。
ありがとう、と言った言葉にはおそらく、泣くほどの事だったんだから、かなり意味が込められていたと思われる。
でも、俺はその笑顔に見とれて、洒落た返事1つできやしなかった。
「…何でもないよ。ほら、ケーキ来たよ。食べよう?」
「ああ…」
何なんだろう……。
…………恋…?
まさか…俺が恋になんて落ちるはずが……
「どうしたの?」
……あった。
少し潤んだ目で計算のない上目遣いをされたら……ああ、もう堪らない!
俺は恋に落ちたんだ。
今までの、こいつに会ってからの変な感覚は「恋」の力。
「何でも、ないよ」
「…そっか」